課題
自分でPCを組んでAIを動かす「LocalLLM」と、Claude ProやChatGPT PlusのようなSubscription AI、結局どちらが得なのか気になる。ただ、Hardware購入からの実際の費用や性能の差が分からないと、判断のしようがない。
解決できるようにすること
Hardware購入から始めた場合の費用(予算帯・高性能帯の2構成)と、公開されている性能情報を基に、LocalLLMとSubscription AIのどちらが自分に向いているかを判断できるようにする。
今回の比較の前提
先に、今回の比較の前提を明記しておく。前提が変われば結論も変わる。
- LocalLLM自体の構築難易度は高い。今回は「正常に構築・運用できた場合」を想定し、構築の手間やトラブルシューティングの時間は費用に含めない
- 性能は公開されているBenchmarkや複数の記事(二次Source)を根拠にする。自分で実際にLocalLLMを構築して実測してはいない
- 電気代は2026年8月時点の家庭用平均単価(約31円/kWh)、利用は「1日2時間、推論負荷で稼働」という想定で計算する
- Subscriptionは個人向けの標準Plan(Claude Pro、ChatGPT Plus)を対象とし、上位Plan(Claude Max、ChatGPT Pro)やAPI従量課金は対象外とする
LocalLLM側:2つのHardware構成
予算帯構成(7B〜14B級Model向け)
RTX 4060 Ti 16GBを中心に、CPU・メモリ・電源などを含めた構成。2026年8月時点、GPU単体で約85,000円(メモリ価格上昇の影響で高騰中)、PC全体では約185,000円が目安になる。
この構成でLlama 3.1 8Bを動かした場合、応答速度は約45トークン/秒で、ChatGPTとほぼ変わらないという報告がある。日常的な質問応答や文章の下書きくらいであれば、速度面では十分に実用的なレベルといえる。
高性能帯構成(30B級、70Bは制約あり)
RTX 5090(VRAM32GB)を中心にした構成。ここで無視できないのが、GPU価格の状況になる。RTX 5090は2026年1月発表時のMSRPが393,800円だったが、2026年7月末以降の価格高騰で、2026年8月時点の実売は69万〜80万円台まで上がっている。「発表時の倍近い」というのが正直な印象だった。CPU・メモリ・電源等を含めたPC全体では、約95万円が目安になる。
この構成で30B級のModelを動かすなら十分な性能が出るが、70B級Modelには注意が必要になる。70B級を4bit量子化で動かすには約40GBのVRAMが必要とされ、RTX 5090のVRAM32GBでは、高いContext長で快適に動かすには不足する。本格的に70Bを運用するなら、RTX 3090(24GB)を2枚使ったMulti-GPU構成(合計48GB)のような別の道が必要になる、という点は参考情報として触れておきたい。
Subscription側:Claude Pro・ChatGPT Plus
- Claude Pro: 月額$20(年払いなら$17/月相当)。使用量制限は適用されるが、具体的な数値上限は公式ページに明記されていない
- ChatGPT Plus: 日本向け公式Priceで月額¥3,000。無料版・Goより多くの利用枠、高度なReasoning Modelなどが使える
以降の計算では、便宜上どちらも¥3,000/月として扱う(Claude ProはUSD建てのため、実際の請求額は為替レートで変動する)。
費用比較:1年・2年・3年で見るとどうなるか
Hardwareの初期費用+電気代と、Subscriptionの月額を積み上げて比較すると、次のようになる。
| 予算帯LocalLLM | 高性能帯LocalLLM | Subscription1件 | Subscription2件(Claude Pro+ChatGPT Plus) | |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 約18.5万円 | 約95万円 | 0円 | 0円 |
| 1年目累計 | 約19.1万円 | 約96.6万円 | 約3.6万円 | 約7.2万円 |
| 2年目累計 | 約19.6万円 | 約98.1万円 | 約7.2万円 | 約14.4万円 |
| 3年目累計 | 約20.2万円 | 約99.7万円 | 約10.8万円 | 約21.6万円 |
数字を並べてみて、正直なところ「思ったより差が大きい」という印象を受けた。
予算帯LocalLLMは、Subscription1件(Claude ProまたはChatGPT Plusのどちらか一方)と比べると、3年経っても損益分岐点に届かない。一方、Claude ProとChatGPT Plusを両方契約している場合(Subscription2件)と比べると、3年目でほぼ同額(約20.2万円 vs 約21.6万円)になる。つまり、予算帯構成が費用面で意味を持ってくるのは「複数のSubscriptionを同時に置き換える場合」に限られる。
高性能帯LocalLLMは、どのSubscriptionパターンと比べても、初期費用だけで数年分の契約料を上回ってしまう。現在のGPU価格が高騰した状態のままだと、費用面での損益分岐点は実用的な期間内には訪れない。
性能面での違い
費用だけでなく、性能面の違いも見ておきたい。
予算帯構成(7B〜14B級)は、応答速度自体はクラウドと遜色ない場面もあるが、Modelの規模が小さいため、複雑な推論や専門的な内容ではクラウド最上位Modelに見劣りする場面が出てくる。
高性能帯構成(30B〜70B級)でも、2026年時点ではクラウド最上位Model(Claude Opus、GPT-5.x系等)に及ばない場面が多いとされている。「95万円かけてもまだ届かないのか」と思う一方、「1〜2年前のクラウド最強Modelが今年のローカルで動く」というペースで進化が続いているという指摘もあり、この差は年々縮まっている段階にある。
どんな人に向いているか
Subscriptionが向いているのは、コストを最優先したい人、複数のAI Toolを気軽に使い分けたい人、Hardwareの構築・管理の手間を避けたい人になる。今回の計算どおり、費用だけで見るなら基本的にSubscriptionが有利になる。
LocalLLMが向いているのは、費用以外の理由がある人になる。具体的には、入力内容を外部のサーバーに送りたくない(プライバシー重視)、オフラインで使いたい、利用量の上限を気にせず使い倒したい、といった動機がある場合になる。予算帯構成であれば、複数のSubscriptionを同時に使っている人が1台に統合するという選択肢としては検討の価値がある。
まとめ
今回の前提(Hardware購入から開始、公開Benchmark基準の性能比較)で計算すると、費用だけを見ればSubscription AIの方が有利という結果になった。特に高性能帯構成は、現在のGPU価格の高騰も重なり、費用面での優位性を見出しにくい。LocalLLMを選ぶ場合は、コスト以外の動機(プライバシー、オフライン利用、利用量無制限等)が主な理由になる、というのが今回の前提での結論になる。
なお、GPU価格や電気代、利用頻度が変われば結果は変わる。自分の使い方に近い前提で、あらためて計算し直してみることをおすすめしたい。
参考にした情報
この記事は、2026年8月19日時点の公式Pricing情報と、GPU価格・LocalLLM性能に関する複数の二次Sourceの調査を基に、独自調整したAIが下書きを作成し、筆者が事実確認・編集を行った上で公開しています。

