AIへの修正指示が続くなら、問題の構造を見直す

AI活用術

課題

AIに「ここをもう少し細く」「この線をつなげて」と頼み続けているのに、直すたびに別の場所が崩れる。そんなとき、指示をさらに細かくするべきか、そもそもの作り方を変えるべきか判断しづらい。

この記事でわかること

  • AIへの細かい修正指示を繰り返しても品質が安定しないとき、指示を増やすべきか作り方自体を変えるべきかを判断する5つのサイン
  • 問題を生んでいる構造を見つけて、より単純な案へ切り替える手順

解決できたこと

個別修正を止める5つのサインと、問題を生んでいる構造を見つけて、より単純な案へ切り替える手順を使えるようになる。

本文

直しているのに、完成へ近づかない

個人開発している農場ゲームのアプリアイコンを、AIと一緒に作っていたときのこと。最初は、4枚のタイルと小さな双葉を組み合わせた案を選んだ。

ところが、タイル同士の線や厚み、葉との接続を直すたびに、にじみや二重線、形の向きといった別の問題が出てきた。画像を少しずつ編集する方法から、座標を指定して描き直す方法へ変えても、期待した品質には安定しなかった。

記録に残っている試作は、v4〜v12bの12回に、v13とv14を加えた約14回。もちろん、全部がまったく同じ失敗だったわけじゃない。技術的に改善できた部分もあった。でも、最終的には「この方向性では意図した品質にならなそうだ」と判断した。

ここで大事だったのは、15回目の修正指示を考えることじゃなかった。

失敗した場所ではなく、失敗を生む構造を見る

それまで自分は、「右下の枠が合わない」「葉の付け根に隙間がある」と、見つかった問題を1つずつ直していた。でも改めて並べてみると、問題には共通点があった。

4枚のタイルを1つの記号に見せるには、複数の継ぎ目で枠、厚み、傾き、間隔を同時に揃えなければならない。1か所を直すと、隣との関係が変わる。つまり、個々の修正が下手だっただけではなく、「継ぎ目が多い形」そのものが失敗を生みやすかった可能性が高い。

そこで、初期案の中に残っていた「菱形のタイル1枚と双葉」の案をもう一度調べた。こちらは輪郭が1つにつながっているので、タイル同士の継ぎ目を合わせる作業そのものが無い。さらに、別のパズルアプリのアイコンとも形を区別しやすかった。

修正方法を変えたというより、修正が必要になる原因を減らしたわけ。

単純な案へ変えた後も、確認は必要

単一の菱形案へ変えた後は、元画像から形を正確に取り出して正式な画像へ展開した。承認後、ストア用画像やスマートフォン向けのアイコンへ反映し、Androidではランチャー表示、起動画面、正常起動まで確認した。iOSはWindows環境だったため、生成画像の目視確認までに留めている。

構造を単純にしたからといって、確認を省略していいわけじゃない。「直しやすそう」と「正しく反映された」は別の話なので、最後は実際に使われる形で確かめる必要がある。

局所修正を止める5つのサイン

今回の経験から、次のうち複数が当てはまったら、同じ方向での微調整を一度止めた方がいいと考えるようになった。

  1. 同じ種類の問題が、場所を変えて何度も戻ってくる
  2. 1か所を直すと、隣の1か所が崩れる
  3. 指示が「あと少し」ではなく、座標や例外処理の追加ばかりになる
  4. 作り方を変えても、同じ関係性の問題が残る
  5. 技術的には改善したのに、全体として良くなったと判断できない

回数だけで機械的に決める必要はない。ただ、3回、5回と同じ失敗が続いた時点で、この5項目を確認すると、惰性で修正を重ねにくくなる。

問題の構造を変える手順

AIとの作業が進まなくなったら、自分は次の順番で整理する。

  1. 直近の失敗を並べ、繰り返している現象を一文にする
  2. その現象を生む「部品同士の関係」を探す
  3. 関係を減らせる案、部品を減らせる案を探す
  4. 新しい案で、本来の目的が失われないか比べる
  5. 採用後は、実際の利用形態で確認する

今回なら、「線がにじむ」が現象で、「4枚の継ぎ目を同時に揃える」が構造だった。そこで部品を4枚から1枚へ減らし、「農場ゲームらしさ」と「他アプリとの識別性」が残るかを確認した。

AIへの次の依頼も、「右下を2px動かして」ではなく、こんな形に変えられる。

これまでの修正で繰り返し発生した問題を整理してください。個別の描画ミスではなく、その問題を生みやすくしている部品同士の関係を特定し、関係を減らせる代替案を3つ提案してください。

却下案は、全部残さなくても経緯を残せる

方向転換後、試作画像が増えすぎていたため、不要になった画像40ファイルは整理した。ただし、「なぜ4区画案を止めたか」というテキストの記録とGitの履歴は残した。

失敗から学ぶには、全ファイルを現在のフォルダへ置き続ける必要はない。判断理由、代表的な問題、切替後の結果が追えるなら、作業場所は整理できる。この分け方をしておくと、失敗を消さずに次の作業へ進みやすい。

まとめ

AIへの修正が続くと、もっと詳しい指示を書けば解決するように感じる。でも、同じ種類の問題が何度も戻るなら、足りないのは指示の細かさではなく、問題設定の見直しかもしれない。

「どこを直すか」から一歩引いて、「なぜ直す場所が次々に生まれるのか」を見る。そこに複雑な関係があるなら、その関係を減らす案へ変える。今回、完成へ近づけたのは、修正を上手に続けたからではなく、修正し続けるのを止めたからだった。

同じ状況に陥ったときの回避策:上記の「局所修正を止める5つのサイン」「問題の構造を変える手順」をそのままチェックリストとして使うとよい。


この記事は、筆者が実際に個人開発しているモバイルアプリの開発記録(2026年8月8日〜10日)を基に、独自調整したAIが下書きを作成し、筆者が事実確認・編集を行った上で公開しています。

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