同じPrompt・同じ設定で動画を作ったのに、3体とも結果が違った話

AI活用術

課題

AI画像生成で作ったキャラクターを動かして動画にするとき、Prompt(生成内容の指示文)や細かい設定を1回決めたら、あとは別のキャラクターにも同じものを使い回せば同じような結果が出る、と思ってしまうことがある。

自分は、AI生成イラストのキャラクターを何体か使ってSNSやYouTubeで発信する取り組みをしている。今回、そのうちの3体(本文ではA・B・Cと呼ぶ)に、まったく同じPrompt・まったく同じ設定で動画を作ってみたところ、出てきた結果はそれぞれ別ものだった。

解決できるようにすること

「Prompt・設定を完全に固定しても、入力画像(被写体)が変わるだけで結果の性質が変わることがある」という前提を持ったうえで、複数の被写体を比較するときに何を揃え、何を疑えばよいかを整理する。あわせて、同じ時期に1体だけで起きた原因不明のAPI失敗を、仮説を1つずつ試して切り分けた記録も紹介する。

先に結論

Prompt・Steps・Seedに相当する設定をすべて固定して、A・B・Cの3体へ同じうなずき動作を指示したところ、Aは動きがほとんど見えないほど控えめ、Bは表情が元の状態へ戻らないまま終わり、Cはほぼ指示どおりにうなずいて戻った。

さらに、Draw Thingsともう一つの生成経路の両方で同じ比較をしたところ、Aの「動きが控えめすぎる」現象は片方の経路だけで起き、Bの「表情が戻らない」現象は両方の経路で起きた。ここから、Aの現象は生成経路(ツール)側の要因、Bの現象は入力画像(被写体)側の要因である可能性が相対的に高まったが、これは1回ずつの比較で分かった範囲の話であり、断定はできない。

この記事でわかること

  • 設定を完全固定した比較で、被写体によって結果の性質がどう変わったか
  • 「ツール側の癖」と「被写体側の癖」を切り分けるために、2つの生成経路を並べて比べる考え方
  • 原因不明のAPI失敗に対して、仮説を1つずつ試して消していく手順

こう思う人もいるかもしれない。

「キャラクターの名前くらい出してもいいのでは?」

比較に使った動画そのものは、実はこの記事とは別に、運営しているSNS・YouTubeで既に一般公開している。ただ、この記事の主眼はキャラクターの紹介ではなく、「条件を揃えても被写体で結果の性質が変わりうる」という検証の型を伝えることにある。個体の呼び方はA・B・Cという記号に統一して書く。

小物名入りのPromptを取り違えた話

そもそもの発端は、自分のちょっとした操作ミスだった。

Aの入力画像には、手に持たせている小物があり、それを維持するようPromptの中に小物の名前を書き込んでいた。Draw ThingsでCの動画を作ろうとしたとき、自分はうっかり、このA専用のPromptをそのまま使って生成してしまった。

出てきた動画を確認すると、Cの入力画像には無かったはずの小物(本)が、動画の途中から現れていた。

「あれ、これCの絵にこんなもの持たせてたっけ?」と一瞬焦ったが、原因はすぐに分かった。狙った演出でも、Cの入力画像自体が不安定だったわけでもなく、単純に別の個体用のPromptを取り違えて使ってしまった、という運用上のミスだった。

小物名を消したPromptで、あらためて3体を比較した

このミスがきっかけで、「特定の個体の小物を名指ししたPromptを、別の個体にも共通で使う」という比較のやり方自体に無理があると分かった。そこで、小物の名前を一切含めない、3体に共通で使える一般化したPromptを新しく作り直した。

内容はおおまかに、「動き出しの0.5〜1.5秒の間に、あごを一度だけ軽く下げてうなずき、そのあと開始位置の姿勢・表情へ戻る。頭は左右を向かない。手・持ち物・服・背景は入力画像のまま変えない」というものにした。Negative Prompt(生成で避けたい要素の指定)も含めて、A・B・C共通で完全に同じ文言を使った。

Draw Things側の設定(Steps、Text Guidance、Shiftといったパラメータ)も3体で完全にそろえたうえで、自分がこの一般化Promptを使い、それぞれ1回ずつ生成した。

結果は、次のようにばらばらだった。

  • Aは、うなずきに相当する変化があるにはあったが、動画を見比べてもほとんど分からないくらい控えめだった
  • Bは、動画の途中で表情がはっきり変わったあと、最後まで元の表情へ戻らなかった
  • Cは、指示どおり一度うなずいたあと、髪型や小物、背景も含めてほぼ元の状態へ戻った

「同じ文章、同じ数値を渡しているのに、なんでこんなに違うんだ」というのが、結果を並べたときの素直な感想だった。

もう一つの生成経路でも、同じ条件で試した

比較をもう一段確かめるため、Draw Thingsとは別の、Web上で動かせる生成経路でも、まったく同じ一般化Prompt・同じ固定設定でA・B・Cを生成した。こちらの経路は自分が手作業で動かすのではなく、AIにスクリプト経由で送信してもらう形にしていた。

結果は次のようになった。

  • Aは、開始・終了でほぼ同じ状態に戻る、普通の範囲の変化だった。AIが全フレームの色の変化を数値化して確認したところ、変化の主な原因は髪先の自然な揺れだった
  • Bは、Draw Things側と同じく、表情が変わったまま最後まで元へ戻らなかった
  • Cは(このあとに書く失敗を乗り越えたのち)指示どおりのうなずきと復帰に近い結果になった

2つの経路を並べて、ようやく分かったこと

Draw Thingsともう一つの経路、両方の結果を横に並べてみて、初めて見えてきたことがあった。

Aの「動きが控えめすぎる」現象は、Draw Things側だけで起きていて、もう一方の経路では普通の動きだった。一方、Bの「表情が戻らない」現象は、経路を問わず両方で起きていた。

ここから言えるのは、Aの現象は生成経路(ツール)側の要因である可能性、Bの現象はBの入力画像そのもの(表情や構図)側の要因である可能性が、それぞれ相対的に高まった、というところまでになる。どちらも1回ずつの比較で分かった範囲であり、「これが原因」と言い切れるところまでは確認できていない。

設定をどれだけ揃えても、結果の性質が入力画像によって変わりうる。しかも、その変わり方が「ツールの癖」なのか「被写体の癖」なのかを見分けるには、1つの経路だけを見ていても分からず、複数の経路で同じ条件を試してようやく手がかりが見えてくる、というのが今回の実感だった。

同じ頃、1体だけがずっと失敗し続けていた

もう一つ、時期が重なって記録に残っていたのが、Cの生成だけがWeb側の無料枠API呼び出しで繰り返し失敗していたという出来事だった。

最初の生成が失敗し、そのあと自分が「もう1回だけやってみて」とAIに頼んで試した2回の再試行も、同じ形の失敗(詳しい理由が返ってこないエラー)で終わった。これで3回連続の失敗だった。

怪しいと思った一文を変えてみたが、変わらなかった

自分は、Promptの最後にあった「まばたきについての一文」の書き方が気になっていた。うなずきについては「一度だけ」と明確に書いていたが、まばたきの部分は単数形の言い回しになっていて、文字どおり読むと「まばたきも一回だけ」と読めてしまいそうな書き方だった。

「もしかして、この言い回しがおかしくて、生成側の解釈がずれているのでは」という仮説を立て、AIに文法面を確認してもらった。たしかに、その読み方もできる書き方ではあるらしい。

そこで、他の条件は一切変えず、その一文だけを「回数を制限しない言い方」に直し、AIにもう1回だけ試してもらうことにした。

結果は、やはり同じ形式で失敗した。この1回のテストの範囲では、「Promptの言い回しが原因」という仮説は支持されないことになる。あわせて、入力画像の解像度やファイル形式も、既に成功していた別の個体と一致していたため、「画像の形式が原因」という仮説も支持されなかった。

これでCは4回連続、同じ形式の失敗を重ねたことになる。無料で使える枠の側の一時的な混雑が疑わしくはなったが、詳しい理由がまったく返ってこないため、この記録だけでは原因を断定できない未確認事項として残った。

結局、原因がはっきりしないまま、後日、自分がAIへ改めて試すよう頼んだ回(通算5回目の送信)で、初めて成功した。時間を置いてから成功したことは、「一時的な混雑だったのでは」という見方とは矛盾しないが、詳しい理由が一度も返ってこなかった以上、これも確定した原因としては書けない。

ようやく成功した直後、今度は別の失敗にぶつかった

Cについては、これとは別の機会にもう一つ、ちょっと変わった失敗があった。

まばたきの言い回しを直した新しいPromptで、自分がAIへもう一度Cの動画を作るよう頼んだときのことだった。生成そのものは、今度は「完了」という扱いで返ってきた。ところが、その完了した動画ファイルをダウンロードしようとした段階で、アクセスが拒否されてしまい、結局ファイルを受け取れなかった。

「え、終わったのに受け取れないってどういうこと」というのが、この結果を見たときの率直な反応だった。これまでの4回の失敗は「生成自体が失敗して、詳しい理由も返ってこない」という形だったのに対し、今回は「生成は完了扱いになったのに、結果を受け取れない」という、まったく違う性質の失敗だった。

原因は、ファイルを受け取る側の一時的な制限なのか、URLの有効期限なのか、その時点では分からなかった。ただ、自分がAIへ追加でもう1回だけ試すよう頼んだところ、今度は無事に動画を受け取れた。

気づいたこと

  • Prompt・設定を完全に固定しても、入力画像によって結果の性質そのものが変わることがある
  • 「ツール側の癖」なのか「被写体側の癖」なのかを見分けるには、1つの経路だけでなく複数の経路で同じ条件を試す必要がある
  • 「原因はこれだろう」という仮説は、他の条件を変えずに1点だけ変えて試すことで、支持されるか支持されないかを確かめられる
  • 同じに見えるエラーでも、よく見ると「生成自体が失敗した」のか「生成は完了したのに受け取れない」のか、性質が違う場合がある

こんな人に向いている

AI画像生成・動画生成で複数のキャラクター素材を扱っている人で、「1体で通った条件だから、他の個体でも同じように動くはず」と考えている人には、被写体ごとに結果の性質が変わりうるという前提を持つきっかけになる。

また、無料枠のAPIで原因不明のエラーに遭遇して、Promptを闇雲に書き換えている人には、条件を1つずつ切り分けて仮説を潰していくやり方が参考になる。

まとめ

項目内容
結論Prompt・設定を完全固定しても、被写体によって動きの大きさや表情の戻り方が変わった。2経路で比較すると、ツール側の要因と被写体側の要因を分けて考えられる手がかりが見えた
教訓「1体で通った条件」を他の個体へそのまま使い回す前に、小物名など個体固有の指定が紛れ込んでいないか確認する。原因不明のエラーは、条件を1つずつ変えて仮説を潰していく
対象読者複数のキャラクター素材でAI画像・動画生成を行っている人、原因不明のAPIエラーの切り分け方を知りたい人

同じ状況に陥ったときの回避策

  • 個体ごとのPromptを使い回す前に、小物名など特定の個体だけに当てはまる指定が紛れ込んでいないか確認する
  • 複数の被写体を比較するときは、Prompt・設定を完全に固定したうえで、可能なら複数の生成経路でも同じ条件を試す
  • 「これが原因では」という仮説は、他の条件を変えずその1点だけを変えて試すことで、支持されるか支持されないかを確認する
  • 同じように見える失敗でも、「生成自体が失敗したのか」「完了したのに受け取れないのか」を区別して記録する
  • 無料枠での失敗は、自動的に何度も再試行せず、1回ずつ人が判断してから試す

公開Source・運営者情報

今回比較に使った動画そのものは、この記事とは別に、運営しているSNS・YouTubeで既に一般公開している。本文ではA・B・Cという記号で匿名化しているが、実際の比較動画は下記から確認できる。

運営者本人のプロフィールは、サイトの運営者情報ページにまとめている。

この記事の紹介動画

この記事の内容を、ブログの案内役のPAGEと、SNSを担当しているLEAFが動画で紹介している。


この記事は、筆者が実際に運営している、複数のキャラクターアセットを持つAI活用プロジェクトの開発記録(2026年9月19日〜26日)を基に、独自調整したAIが下書きを作成し、筆者が事実確認・編集を行った上で公開しています。

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