無料のSakana Chatを、未登録と登録後で試した。コード実行・File添付と、NamazuとFuguで回答がどう変わったか

無料のSakana Chatを、未登録と登録後で試した。コード実行・File添付と、NamazuとFuguで回答がどう変わったか SakanaChat

課題

無料のAI Chatに「コード実行」「File添付」が付いたと聞いても、実際にどこまで自動でやってくれるのか、登録しなくても使えるのか、登録すると何が変わるのかが分からないと、試しづらい。

解決できるようにすること

Sakana Chatの新機能(コード実行、成果物のPreview、File添付)を、架空のDataだけで未登録のまま動かし、登録したあとは同じDataで新Model「Fugu」と既存の「Namazu」に同じ質問を送って、回答の違いを確かめられるようにする。

先に結論

2026年8月13日にSakana AIが発表した「Sakana Chat」のアップデートを、8月18日に試した。最初は未登録のまま、続けて登録してから。

  • 未登録のままでも、架空の経費CSVを添付して「月別に集計してグラフを作って」と頼むと、集計からグラフまで自動でやってくれた。「色を変えて」の作り直し、画像の読み取り、Slide1枚へのまとめもできた
  • 公式発表で目立っていた新Model「Fugu」は、未登録の画面では選べず、ログインが条件だった。公式Blog・FAQ・Fuguの説明Pageのどれにも、この条件は書かれていなかった
  • 登録すると、Fuguを選べるようになった。同じCSVで「金額が大きい月の理由を推測して」と頼むと、月別の合計はどちらも合っていたが、Namazuは元のDataに無い店名を作り、FuguはDataが架空のテスト用だと気づいて決めつけを避けた
  • 2026年9月17日、FuguはFugu Maxに更新された。11月8日に未登録の画面を見ると、Fugu Maxにも「ログインで利用可能」と出ていた

比べたのは架空Data1つ・依頼1つだけで、「Namazuは不正確」「Fuguは常に正確」とは言えない。言えるのは、「無料で試せる」と「その機能が今すぐ使える」は同じではないことと、判断が絡む答えほど元のDataと照らし合わせたほうがいい、ということ。

何が発表されたのか

Sakana AIは2026年8月13日、無料のAI Chat「Sakana Chat」(chat.sakana.ai)を更新したと発表した。

  • 新Model「Sakana Fugu」を追加。Frontier Model相当の性能で、複雑な指示や複数手順の作業に向くと説明されている
  • 既存Model「Sakana Namazu」を新世代へ刷新
  • Sandbox上でPythonを実行できるようになり、計算・Data処理・File生成をModelが自分で行える
  • 生成した成果物(HTML・Word・Slide)を画面右側のPanelでプレビューできる
  • 画像添付は全Modelで対応、PDF・Office文書の添付・要約・分析にも対応

その後、2026年9月17日に、FuguはFugu Maxへ更新され、Memory(会話をまたいで前提を残す機能)が追加された。

誰が使えるのか

Sakana ChatのFAQによると、現時点では無料(変更時は事前告知)で、利用は日本国内からに限られる。メールアドレスを登録しなくても送信はできるが、登録すると会話履歴が保存され、利用の上限が上がる。

入力Dataは学習・改善に使われる場合があり、設定からOpt-outできるが、Opt-outしても安全性・不正利用防止・品質評価等の目的で確認される場合があるとFAQに書かれている。自分や第三者の個人情報を入力することは禁止されている。

今回は、実在するDataやAccount情報を使わず、自作した架空のCSV(実在しない店名・実在しない金額、2026年1〜4月、8件)と、架空のError画面Screenshotだけで試した。

未登録のまま試したこと

架空の経費CSVを集計・グラフ化してもらった

架空の経費CSVを添付し、「月別に集計してグラフを作って」と頼んだ。

しばらく待つと、月別の集計結果が表になって返ってきた。

月金額
2026-012,050円
2026-023,300円
2026-031,430円
2026-042,420円
合計9,200円

添付したCSVの記載額と手で照らし合わせると、月別の合計はすべて一致していた。「おお、ちゃんと合ってる」と、ここで少し安心した。続けてmonthly_expenses.pngという棒グラフが生成され、画面右側のPanelにそのまま表示される。ダウンロードのアイコンもあり、公式発表にあった「成果物をその場でプレビューできる」という説明のとおりに動いていた。

会話の中で「色を変えて」と頼んでみた

続けて「グラフの色を緑色に変えてください」と頼むと、monthly_expenses_green.pngという、色だけを変えた新しいグラフが返ってきた。値やグラフの形はそのままで、指示した部分だけを直してくれる。「え、これだけで済むの」というくらい素直に反映されて、公式発表の「会話の中で指示を出せば同じ場所で作り直される」という説明を、実際に確認できた。

架空のError画面Screenshotも読んでもらった

実在しないApp名・架空のError Code・「これはテスト用に作成された合成Screenshotです」という注記を入れた、架空のError画面Screenshotを添付し、「内容を日本語で説明してください」と頼んだ。

返ってきた説明は、タイトル、Error Code、Message、補足説明、注意書きの5点を、すべて画像内の表記どおりにまとめていた。画像添付は未登録のままでも問題なく使えた。

同じ集計結果をSlide1枚にもまとめてもらった

「月別の集計結果を短いSlide(1枚)にまとめてください」と頼むと、monthly_summary_slide.pptxが生成された。

返信では、「左側に先ほど作成した緑色の棒グラフ、右側に月別の金額テーブル」という構成が説明された。File自体はダウンロードできる状態で表示されていたが、Preview画面を開く操作を誤ってしまい、実際の見た目までは確認できなかった。言えるのは、Fileの生成まではできていたところまで。

新Model「Fugu」はログインしないと選べなかった

ここまでの操作は、すべて「Namazu」で行っていた。Model選択のMenuを開くと、「Fugu」の横に「ログインすると使えます」と出ていて、選べなかった。

「あれ、目玉のFuguが選べない」というのが、実際の画面を見て最初に気づいたことだった。公式Blog本文、Sakana Chat FAQ、Fuguの説明Pageを確認したが、どれにも「Sakana Chat内でFuguを使うにはログインが必要」という記載は見当たらなかった。

なお、Fuguには別に開発者向けのAPI Product(sakana.ai/fugu/)があり、月額$20〜$200のSubscriptionや従量課金のPlanが用意されている。Sakana Chatの中の選択肢とAPI Productは、同じ「Fugu」という名前でも別物として見たほうがよさそうだった。

登録してから、NamazuとFuguに同じ質問を送った

登録するとFuguが選べるようになった

Sakana Chatに登録してからModel選択のMenuを開くと、「ログインすると使えます」の表示が消え、Fuguを選べるようになっていた(登録の入力は自分で行った)。

同じ質問をNamazuとFuguへ

さっきと同じ架空の経費CSVで、次の質問を、Namazu・Fuguそれぞれ別の会話で送った。

添付したCSVを月別に集計し、他の月と比べて金額が大きい月があれば理由を推測し、来月の予算目安を提案してください。

単純な集計ではなく、「理由を推測する」「予算を提案する」という判断が入る依頼にしたのは、公式発表でFuguが「込み入った指示の理解や、複数の手順をまたぐ作業で力を発揮する」と説明されていたため。

Namazuは、存在しない店名を作ってしまった

Namazuの回答は、月別の合計金額(1月2,050円、2月3,300円、3月1,430円、4月2,420円)自体は正確だった。

ただ、「2月が大きい理由」を説明する段になると、こう書かれていた。

日用品の支出が2月に2,400円と突出しており、店舗名が「星空書店 オフィス用品」となっていることから、文具やオフィス用品などのまとめ買いや必要な備品の一括購入があったものと推測されます。

「星空書店 オフィス用品」という店名は、添付したCSVのどこにも無い。実際の2月の大きな支出は「架空書店 テスト書房」でのカテゴリ「書籍」、2,400円だった。「あれ、そんな店名どこにあった?」と添付Dataを見直したが、やはり見つからなかった。

さらに、元のCSVには「消耗品」「書籍」という別々のカテゴリがあったのに、Namazuは断りなく両方を「日用品」という1つの表示にまとめていた。集計の数字は合っていても、その内訳の説明には、実際には無い情報が混ざっていた。

Fuguは、Dataが架空だと自分で気づいた

同じCSV・同じ質問をFuguへ送ると、まずPythonのコードを実行して、月別の合計とカテゴリの内訳を計算した。内訳は、飲食・消耗品・書籍という実際のカテゴリ名のまま、正確に再現されていた。

理由の推測では、次のように書かれていた。

店名・カテゴリがすべて「架空」「サンプル」「テスト」となっており、これはテスト用のサンプルデータと見られます。理由はあくまでデータ上のパターンからの推測です。

「お、そこに気づくのか」と思わず反応してしまった。存在しない店名を作る代わりに、Dataそのものが架空だと見抜き、無理な決めつけを避けていた。予算の提案も、「堅めに組むなら」「まとめ買いが読める場合」「余裕を持たせるなら」という3つの見方に分け、それぞれの根拠を示していた。

Fuguはグラフ付きのHTML Reportも作った

続けて、「この集計をグラフ付きのHTMLファイルにまとめてください」と頼んだ。Namazuより待ち時間は長く、途中で「最適なモデルにルーティングしています」という表示も見えた。

出来上がったのは、見出し・合計や月平均のCard・棒グラフ・「書籍2,400円が押し上げ要因」といった洞察のCardまで含む、デザイン性の高いHTMLだった。数値は元のCSVとすべて一致していた。

使う前に確認したい注意点

  • 現時点では無料。今後の料金体系の変更は事前告知するとFAQにある
  • 日本国内からの利用に限られる
  • 新Model(8月はFugu、9月17日からはFugu Max)はログインしないと選べない(2026年11月8日にも、未登録の画面で「ログインで利用可能」と表示された)
  • Fuguの応答はNamazuより時間がかかりやすい
  • 今回の比較は架空Data1つ・依頼1つだけ。「Namazuは不正確」「Fuguは常に正確」とは一般化できない
  • Fuguには別に開発者向けのAPI Product(月額$20〜$200のSubscriptionまたは従量課金)があり、Sakana Chat内の無料枠とは別物として見たほうがよい
  • 入力Dataはモデルの学習・改善に使われる場合があり、設定でOpt-outできる
  • 自分や第三者の個人情報、機密情報は入力しない
  • 未登録時と登録時の利用上限の具体的な違いは、今回の実践量では確認できなかった

向いている人

コード実行やFile添付が向くのは、簡単な集計やグラフ化を、都度Excelや別のToolに切り替えずに済ませたい人。CSVを渡すだけで集計・グラフ・Slideまで一続きで頼めるのは、初めてAI Chatでこうした作業を試す人にも分かりやすかった。

理由の推測や、複数の選択肢を含む判断を頼みたいなら、登録してFugu(今はFugu Max)を試す価値がある。単純な集計だけなら、応答の早いNamazuで足りる場面も多い。判断が絡む依頼のときだけ切り替える、という使い分けもできそうだった。

まとめ

無料のSakana Chatを、8月18日に未登録と登録後で試した。未登録のままでも、コード実行・グラフ生成・会話内の修正・画像の読み取り・Slideの生成は、公式発表どおりに動いた。一方、目立って発表されていた新Model「Fugu」は、ログインが条件だった。登録してから同じ架空のCSVで理由の推測を頼むと、Namazuは存在しない店名を作り、FuguはDataが架空だと見抜いて決めつけを避けた。

公式発表やFAQを読んでも分からない条件が、自分の画面で初めて見えることがある。「集計は合っているから安心」と思わず、判断が絡む答えほど、元のDataと照らし合わせて確かめたい。

公式情報


この記事は、2026年8月13日の公式発表と2026年8月18日の実践記録(2026年11月8日に未登録の画面を再確認)を基に、独自調整したAIが下書きを作成し、筆者が事実確認・編集を行った上で公開しています。2026年11月8日に、同じ日の実践を書いた2本の記事を1本にまとめました。

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