課題
Claude Codeでは、作業の一部を「サブエージェント」に任せられる。メインの会話が指揮役になり、細かい作業を別のAIに振り分ける使い方になる。
2026年10月7日、AnthropicはClaude Haiku 5.5を発表した。いちばん小さくて安いモデルで、上位のOpusやSonnetの下で動くサブエージェントとして相性がよいという。ニュースでは「オーケストラのような使い方で、トークンの節約になる」と紹介されていた。
本当に安くなるのか。安くなっても、任せた作業の出来は落ちないのか。
解決できるようにすること
Claude Codeのサブエージェントを、Haiku 5.5・Sonnet 5.5・Opus 5.5のどれに任せるかを、出来・速さ・費用で判断できるようにする。あわせて、指定したモデルが本当に動いているかの確かめ方と、費用を見積もるときの注意点を分かるようにする。
先に結論
公開済みのブログ記事24本から数字を読み取る作業を、サブエージェント4体に任せて比べた。
- 最初の4体と、念のための2回目の4体は、「haiku」と指定したのにHaiku 4.5が答えていた。Claude Codeの版が、Haiku 5.5に切り替わる前のものだった
- Haiku 4.5は道具を何度も使い直して遅く、費用の目安はSonnet 5.5とほぼ同じになった。数え間違いもあった
- Claude Codeを更新してHaiku 5.5で流し直すと、2回とも全問正解。速さはSonnet・Opusとほぼ同じで、費用の目安はSonnet 5.5の約17分の1〜32分の1だった
- サブエージェントが終わったときに表示されるトークン数は、使った量の合計ではなかった
この記事でわかること
- Haiku 5.5・Sonnet 5.5・Opus 5.5に同じ作業を任せたときの出来・速さ・費用の目安
- 「haiku」と指定したのに別のモデルが動いていた理由と、確かめ方
- 費用を見積もるときに、表示のトークン数をそのまま使わないほうがいい理由
ここで、こう思う人もいるかもしれない。
「『haiku』と書けば、いちばん新しいHaikuが動くんじゃないの?」
公式の説明ではそうなっている。ただ、それはClaude Codeの版が新しい場合の話だった。
公式発表で分かったこと
Anthropicの発表(2026年10月7日)の要点は、次のとおり。
- Haiku 5.5は、要約・分類・データベースへの問い合わせなど、量の多い作業向けの小さなモデル
- コーディングの作業では、Opus 5.5やSonnet 5.5の下で動くサブエージェントとして相性がよい
- 料金は平均でHaiku 4.5より約75%安い
- Haikuとして初めて、性能と費用の釣り合いを変える設定(effort)が付いた
一方で、発表ページには、新しいトークンの数え方のため同じ作業でもトークン数はわずかに増えるとも書かれている。安くなるのはトークン1つあたりの単価で、トークンの数が減るわけではない。ニュースの「トークンの節約」は、「料金の節約」と読んだほうが正確になる。
Claude Codeの説明書(Subagents)にも、サブエージェントの使い道として「Haikuのような速くて安いモデルに作業を回して費用を抑える」とある。
使える条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| APIの料金 | 100万トークンあたり、1回の依頼が10万トークン以下なら入力$0.10・出力$0.50。超えると$0.50・$2.50 |
| Claude Codeでの指定 | サブエージェントのモデルに「haiku」と指定する。AnthropicのAPI経由ならHaiku 5.5、他の提供元ではHaiku 4.5を指す |
| Claude Codeの版 | 「haiku」がHaiku 5.5を指すのは2.1.293(2026年10月7日)から |
| 今回の環境 | Mac、VS CodeのClaude Code。最初は2.1.288、更新後は2.1.295。指揮役はOpus 5.5 |
料金と版の条件は、2026年10月10日に公式の料金ページとClaude Codeの変更履歴で確認した。
試した作業と比べ方
任せたのは、公開済みのブログ記事24本から、記事ごとに次の5つを読み取る作業。
- タイトルの文字数
- 説明文(meta description)の文字数
- 本文の画像の数
- H2見出しの数
- 投稿ID
正解はスクリプトで先に出しておき、モデルごとに何問合っているかを数えた。
指揮役はどれもOpus 5.5。記事を6本ずつ4組に分けて、サブエージェント4体に同時に任せた。指示文は4つのモデルで同じにして、変えたのはサブエージェントのモデルだけ。道具の使い方は自由にした。
作業はClaude Codeに頼んで進めてもらい、こちらはモデルの選び方と、Claude Codeの再起動を担当した。

1回目:「haiku」と指定したのに、Haiku 4.5が答えていた
最初の結果は、こうなった。
| 指定 | 正解 | 1体の時間 | 道具を使った回数(4体の合計) |
|---|---|---|---|
| haiku(1回目) | 119/120 | 97〜269秒 | 42 |
| haiku(2回目) | 115/120 | 108〜133秒 | 38 |
| sonnet | 120/120 | 9〜10秒 | 8 |
| opus | 120/120 | 12〜17秒 | 9 |
SonnetとOpusは、4体とも最初に数えるスクリプトを1本書いて、一度で終えていた。「haiku」の4体は、ファイルを読む・数えるを何度も繰り返していた。間違いは2回とも見出しの数で、2回目は1体が5本の記事で見出しを少なく報告していた。
Haiku 5.5にしては遅すぎる。そこで、Claude Codeが手元に残しているサブエージェントのやり取りの記録を見ると、答えていたモデルは8体ともclaude-haiku-4-5-20251001だった。Haiku 5.5ではなく、Haiku 4.5になる。
Claude Codeの変更履歴を見ると、「haiku」がHaiku 5.5を指すようになったのは2.1.293から。使っていたClaude Codeは2.1.288だった。拡張機能は新しい版が入っていたが、セッションを開き直していなかったので、古い版のまま動いていた。
終わったときに出るトークン数は、使った量の合計ではなかった
サブエージェントが終わると、Claude Codeはトークン数・道具を使った回数・時間を表示する。最初は、このトークン数で費用を見積もっていた。
ところが、手元の記録でやり取り1回ごとの量を足すと、表示の数とは合わなかった。表示の数は最後のやり取りの大きさに近く、全部を足した量ではなかった。たとえば「haiku」の1体は、表示が約8.7万トークンだったのに対して、キャッシュから読み直した分だけで約72万トークンあった。
この表示の数がどう数えられているかは、公式の説明書では見つけられなかった。そこで、記録の合計から費用の目安を出し直した。
| 実際に動いたモデル | やり取りの回数 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| Haiku 4.5(1回目) | 23 | 約$0.44 |
| Haiku 4.5(2回目) | 19 | 約$0.41 |
| Sonnet 5.5 | 8 | 約$0.38 |
| Opus 5.5 | 9 | 約$0.78 |
費用の目安は、入力側(キャッシュへの書き込みと読み込み)を公式の定価で計算したもの。出力はどれも小さいので入れていない。契約によっては、実際の請求額とは違う。
Haiku 4.5は、入力とキャッシュへの書き込みの単価がSonnet 5.5の半分でも、やり取りが2〜3倍に増えて読み直す量も多かったので、費用はほぼ同じになった。表示の数だけで計算していたら、「Haikuは約10分の1」という間違った結論を出すところだった。
Claude Codeを更新して、Haiku 5.5で流し直した
VS Codeを再起動して、同じ会話をClaude Code 2.1.295で開き直した。同じ指示文・同じ組み分けで、「haiku」の4体を2回動かした。今度は記録で、8体ともclaude-haiku-5-5が答えたことを確かめた。
| 実際に動いたモデル | 正解 | 1体の時間 | やり取りの回数 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|---|
| Haiku 5.5(1回目) | 120/120 | 10〜17秒 | 12 | 約$0.022 |
| Haiku 5.5(2回目) | 120/120 | 11〜13秒 | 10 | 約$0.012 |
| Sonnet 5.5 | 120/120 | 9〜10秒 | 8 | 約$0.38 |
| Opus 5.5 | 120/120 | 12〜17秒 | 9 | 約$0.78 |

Haiku 5.5は、SonnetやOpusと同じように最初にスクリプトを書いて、すぐに終えていた。1回のやり取りは最大でも約4万トークンで、単価が上がる10万トークンは超えていない。
細かい違いもあった。1回目では2体が、投稿IDを数字ではなく文字列("975")で返した。値は正しく、頼んだ形式からのずれになる。また、2回のうち2体は、URLの末尾の「/」のせいで投稿IDを最初に取り損ね、やり直していた。
期待どおりだった点と、うまくいかなかった点
期待どおりだったのは、Haiku 5.5に任せても、この作業では出来が落ちなかったこと。速さもSonnet・Opusと変わらず、費用の目安は大きく下がった。
注意が要ると分かったのは、次の3つ。
- Claude Codeが古い版のままだと、「haiku」と指定してもHaiku 4.5が動く。Haiku 4.5では、遅くなるうえに費用もSonnet並みになった
- サブエージェントが終わったときのトークン数は、費用の見積もりにはそのまま使えなかった
- Haiku 5.5でも、頼んだ形式(数字か文字列か)から少しずれることがあった
使う前に確認したいこと
- Claude Codeの版を確かめる。「haiku」でHaiku 5.5を使うなら2.1.293以降が要る。拡張機能を更新したら、開いているセッションも開き直す
- 本当にHaiku 5.5が動いたかを、一度は記録で確かめる。サブエージェントのやり取りの記録は、Macでは
~/.claude/projects/の下の、会話ごとのフォルダのsubagentsに残っていた - 費用は、表示のトークン数ではなく、記録のやり取りごとの量で見る。APIで使っている場合は、Claude Codeの
/usageにも費用の目安が出る - 結果を受け取る側でも、数字の形式などを確かめる
どんな人に向くか
- Claude Codeで、ファイルの読み取りや数え上げのような、正解のはっきりした作業をサブエージェントに任せている人
- 同じ作業を何度も流していて、費用を抑えたい人
逆に、判断や要約が中心の作業をHaikuに任せてよいかは、今回の結果だけでは決められない。そういう作業は、少数で出来を見比べてから切り替えたほうがいいと思う。
今回は確認できなかったこと
- 要約・分類など、判断が要る作業での出来の差
- サブエージェントの終了時に表示されるトークン数の、公式な定義
- Haiku 5.5の性能と費用の設定(effort)を変えたときの違い
- Claude CodeをAPIの従量課金で使った場合の、実際の請求額
- AnthropicのAPI以外(他の提供元)での動き
現時点の判断
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 結論 | 正解のはっきりした読み取りの作業なら、Haiku 5.5に任せても出来は落ちず、費用の目安はSonnet 5.5の約17分の1〜32分の1。ただし、Claude Codeが2.1.293より前だと「haiku」はHaiku 4.5のままで、遅く、費用もSonnet並みだった |
| 対象 | AnthropicのAPI経由で動くClaude Code 2.1.293以降 |
| 確認日 | 2026-10-10(Mac、VS CodeのClaude Code 2.1.288→2.1.295) |
同じ状況に陥ったときの回避策
- サブエージェントが急に遅くなったら、答えたモデルを記録で確かめる
- 拡張機能を更新したら、開いているClaude Codeのセッションを開き直す
- 費用の比較は、表示のトークン数ではなく、やり取りごとの量の合計で行う
次に読むなら
サブエージェントに任せる前に、Claude Codeにどこまで自分で進めさせるかを決めておくと、任せる範囲を決めやすい。
- Claude CodeのPlan ModeとAuto Modeはどう違う?使い分け方を公式ドキュメントで確認した — 計画だけ立てさせるか、承認を減らして進めさせるかの使い分けが分かる
公式情報
- Introducing Claude Haiku 5.5(Anthropic)
- Pricing(Claude Docs)
- Model configuration(Claude Code Docs)
- Subagents(Claude Code Docs)
- Changelog(Claude Code Docs)
この記事は、2026年10月7日のAnthropicの発表と、2026年10月10日の実践記録を基に、独自調整したAIが下書きを作成し、筆者が事実確認・編集を行った上で公開しています。

